KPMベルリンのアンティーク・カップ&ソーサーです。
1800年初頭、KPMが得意としたマットブルーの美しいブルーが全体に施されたお品です。しっとりとした落ち着きのありながら、鮮やかなブルー。そしてその上に金彩でこの時代らしいボーダー装飾と、「Glücklich und froh lei dein leben」(人生を楽しく幸せに生きよう)というメッセージが描かれています。このようなメッセージ性の高いデザインもビーダーマイヤー前後のKPMの得意とするスタイルでした。金彩は磨きによって艶のありなしで模様が付けられるブリュニサージュ(バニシング)技法により細やかな模様が施されています。
このようなマットブルーと金彩の組み合わせは、ラピスラズリの石を意識した色の組み合わせと考えられます。
大ぶりのカップ&ソーサーで帝政スタイルの荘厳なデザインとなっております。
絵付けのマークはございませんが、KPMによる絵付けです(この時代絵付けの示すオーブのマークは使用されません)。
参考文献 Bibliography
『Berliner Porzellan I』(1987)P.331に同形状・同ハンドルのカップ掲載(No.62)。
【KPMベルリン / ベルリン王立製磁所】
1763年、プロイセン国王フリードリヒ大王によりベルリンに設立(Wilhelm Caspar Wegelyとその後継者Johann Ernst Gotzkowskyの工場を買収)。当時流行していたロココのデザインを取り入れ、王室に多く収めた。1855年に最初の販売店をオープン。アール・ヌーヴォー(ユーゲントシュティール)の時代にはTheo Schmuz-Baudissを芸術部門の責任者とし、それまでの歴史主義的製品から新しいスタイルへと変わり、高い評価を得た。運営が変わりつつも現在まで続く。
年代/PERIOD | 1810年代〜1820年代頃 |
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刻印 /MARK | 焼成印(笏)、陰刻マーク |
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状態/CONDITION | 良好(多少ソーサースレあり)
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サイズ/SIZE | カップ 直径8.1cm 高さ 8.5cm(いずれもハンドル含まず) ソーサー 直径 14.5cm |
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