イギリス、ロイヤル・ウースター(Royal Worcester)のデミタスカップ&ソーサー。
ロイヤルウースターが得意としていたジャポニズムのデザインの中でも、とても珍しいお品。蓮の葉をモチーフに立体的に表現しております。用いている素地はパリアンと呼ばれる素地(長石を約70%ほど含み、1200〜1250度で焼成する、パロス島の大理石をモチーフにした素地)に釉薬を施し、象牙色にみたてたウースターの得意とした技法です。
そこに手彩色を施しております。色合いも抜群で、単純に元気な新緑ではなく、枯れゆく葉のように茶色や黄色を用いたり、赤色の変色を用いるなど、変化を加えている点は秀逸です。
形状もシンメトリーではなく、特にソーサーはまるで水面を表現するかのように、縁取りをすべてにせず、かつ中央にくぼみを作らないデザインとなっています。
【ロイヤル・ウースター / Royal Worcester】
1751年創業の磁器メーカー。医師のジョン・ウォール(John Wall)とウィリアム・デイヴィス(William Davis)によって設立される。1783年にトーマス・フライト(thomas Flight)によって買収、1786年にはチェンバレン(Chamberlain)が独立、1789年にはロイヤルの称号を得る。1793年にマーティン・バー(Martin barr)が加わる。1840年、独立していたチェンバレンによって買収される。1852年にW.H.カー(Kerr)とR.W.Binns(ビンズ)によってチェンバレンが買収され、1862年ロイヤル・ウースター(Worcester Royal POrcelain Company Limited)と名称を変更する。1878年パリ万博にて金賞を受賞、その後もグレンジャーなどの工房を合併し成長していった。 常に優れた製品を製造し続け、ジャポニスム期には強い影響を受けた。
参考文献 Bibliography
『Royal Worcester Porcelain from 1862 to the Present Day』(Henry Sandon,1973)
年代/PERIOD | 1879年 |
---|
刻印 /MARK | 1879年の窯印 |
---|
状態/CONDITION | 良好(ハンドル下部に製造時の窯傷あり)
|
---|
サイズ/SIZE | カップ 直径 5.1cm 高さ 5.6cm ソーサー 直径 12.9cm |
---|