ナポレオンの母マリア・レティツィア・ボナパルトの庇護を受けていた窯、ダルテ(ダルト)兄弟の作品。
美しい湖水風景が描かれたプレート。ダルテ兄弟の得意とした美しい金彩、細やかな絵付けは見事な品質で、これぞアンピールというデザイン。金彩はもちろん手描きであり、しっかりと模様が装飾されています。絵は美しく、繊細で、
帝政時代の品質の高さが感じられます。
木の緑の色使いも木によって使い分けられ、空の色合いも美しいグラデーションで描かれています。金彩にも模様が1つ1つ着けられており、力強い渦巻の描き方はダルテらしい描き方です。
【Darte Freres / ダルテ兄弟】
ダルテ兄弟(ダルト兄弟)はジョセフ(Joseph 、1765-1832), ルイ=ジョセフ(Louis Joseph 、1766-1843) 、ジャン=フランソワ(Jean Francois 、1768-1834)の3人兄弟で、1795年より協力してシャロンヌ通りの工房を買収。ジャン=フランソワを中心としてパレ・ロワイヤルにも店舗を開いた。1803年よりルイ=ジョセフとジャン=フランソワの2人でロケット通りの工房で活動、ジョセフは1804年からポパンクール通りの工房にて単独で「Darte Aine」という名前で活動した(~1822年)。1809年マリア・レティツィア・ボナパルトの庇護を受け、「Manufacture de porcelaine de S.A.I madame Mere de SM. I’Empereur et Roi」と称した。1816年には2番目の店舗をヴィヴィエンヌ通りにオープン。1819年の展示会で銀賞を受賞。当時のパリでも随一の工房として発展したが、ボナパルト家の没落とともに衰退。1824年に息子のオーギュスト・レミの力を借り「Darte Fils」となったが、翌年解散。
1828年に破産が宣告されたがそれでもルイ=ジョセフはボルドー公爵の援助を受けることに成功し、翌年に債権者と和解、ロケット通りの工房は1833年まで続けられ、その幕を閉じた。
参考文献 Bibliography
『Faience et Porcelaine de Paris XVIIIe-XIXe Siecles』(Edition Faton,1995)
年代/PERIOD | 1800年初頭 |
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刻印 /MARK | Darte Pal Royal No.21 |
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状態/CONDITION | 良好(経年の多少のスレはございます) Good |
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サイズ/SIZE | 直径23.2cm |
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帝政から復古王政期に活躍したダルテ兄弟。当時の代表的な工房の1つです。
ナポレオンの母でるマリア・レティツィア・ボナパルトの支援を受け発展しました。