19世紀のボヘミアンガラス。
ロザリン・、内側に素材に金を使用した赤色のガラスを使用した2層のつくりとなっており、ボヘミアンガラスをけん引してきたハラフ(ハラホフ)・ガラス工場で主に製造されたガラスです。ピンクがかった赤色が特徴的な色合いです。ハラフ・ガラス工場の資料では1843年から確認され、初の万博となった1851年のロンドン万国博覧会にハラフはこのつくりのロザリンガラスを出品しております。当時は無色で透明度の高いガラスの製造が各地で成功しており、有力なガラス工房は色ガラスへの開発へと着手していました。ボヘミアでも様々な色合いのガラスが開発され、その過程で生まれたガラスの1つです。流通量の少ないガラスです。
形状は典型的なビーダーマイヤー期のボヘミアンガラスです。正面には鹿の絵がエングレーヴィングによって彫られいます。この当時らしい力強く、表現力に長けたエングレーヴィングです。
同様のロザリンガラスは『ボヘミアンガラス600年の輝き:』(1994)P.121、『Frome Neuwelt to the Whole World 300 years of Harrach Glass 』(2012)P.98やP.141に掲載されております。
Bohemian goblet, coolourless glass, underlaid with rosaline glass,cut, engraved. 1840-50.
年代/PERIOD | 1840年~1850年頃 |
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刻印 /MARK | なし |
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状態/CONDITION | おおむね良好(側面や口に多少の当たり傷、製造時の汚れあり) |
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サイズ/SIZE | 高さ 11cm 直径 8.3cm |
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※状態についてはコンディション(商品状態)についてをご覧ください。
19世紀半ばに製造されたロザリンガラス。金赤を使用ておりますが、同じく金赤で製造されていたルビーガラスとは異なり、2層のガラスで独特な透明感を持たせピンクが買ったているように見せたグラスです。
鹿のエングレーヴィングも現代のもののように稚拙ではなく、躍動感など表現力が豊かなエングレーヴィングです。