フランスのクリスタルガラスブランドであるサン・ルイのグラスです。
オールド・サン-ルイの希少モデル「EDEN」(エデン、装飾No.4596)です。
ぱっと見るとただのカットグラスにみえるかもしれませんが、薄手の素地へのカットは非常に緻密で丁寧であり、後世のサン・ルイでは見ることができないほどです。ステムも細く、この細いステムへのカットはめったにありません。デザインは葉をモチーフにした古典的なデザインで、19世紀末にフランスやイギリスで流行したデザインが元です。
1902年のサン・ルイのカタログには掲載されておりますが、それ以後の同社のカタログには一切出てこないため、1902年ごろまでしか製造されなかったものと考えられる珍しいモデルです。
サイズは小ぶりで、ポートワインもしくはリキュールほどのサイズです。
1902年公式カタログ掲載品。
写真は2客映っておりますが、1客のみの販売です(最後の1客です)。
【SAINT=LOUIS / サン-ルイ】
1586年、ミュンツタール・ガラス工房(Muntzthal)が創業。1767年、ルイ十五世から聖ルイ9世にちなみ「Saint-Louis」の名称を賜り、王立ガラス工房(Verrerie royale)として設立される。 1787年、クリスタルガラスの発明に成功、1829年、「Cristallerie royale de Saint-Louis(サン・ルイ王立クリスタル工房)」となる。1832年、バカラやジョワジ・ル・ロワなどの数社が協力し、ローネー・オタン・エ・カンパニーが設立される(1857年解散)。20世紀はポール・二コラ(Paul Nicolas)やジャン・サラ(Jean Sala)などのデザイナーと協力し工芸ガラスを制作、1995年エルメスグループの傘下に入り、現在ではエルメスで販売がされるなど権威を保っている。
年代 | 19世紀末〜1902年頃 |
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刻印 | なし(この時代は本体にマークは入りません) |
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状態 | 良好(製造時の気泡等あり) |
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サイズ | 高さ 10.4cm 直径 6cm |
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※状態についてはコンディション(商品状態)についてをご覧ください。
サン・ルイの非常に希少なモデル「EDEN」(エデン)。素地は薄手にもかかわらず、繊細で緻密なカットはアンティークならでは。
ステムにもサン・ルイと得意としたかっと装飾が施されています。通常これほどの細さのものにはカットは施されません。