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18世紀末から19世紀初頭に盛期を迎えた象嵌手法であるMarqueterie de Paille(わら寄木細工、わら象嵌)によって作られた箱。
表面にルイ16世の肖像、裏側に十字架がデザインされた箱です。1793年、フランス革命によりルイ16世が処刑され、この箱はその後、ルイ16世を悼んで作られ。王党派が持っていたものと考えられます。
Marqueterie de Pailleと呼ばれるこの手法は、ナポレオン戦争で捕虜が作っていたことで知られています。しかし、これは捕虜が作っていたものではなく、工房で作られたと考えられるお品。なぜかというと、この箱にはとても珍しい技法が使われています。ルイ16世の肖像はエンボスによりできており、文字もエンボスでデザインされています。象嵌にエンボスを施すというこの特殊技術はGeorges-Roland Morelによって18世紀末に開発されたといわれ、 Puy-en-Velayの工房を中心に使われていましたが、その後その手法は分からなくなってしまいました。
エンボスもの文字は消えかかっていますが、「LUD.XVI」などの文字がみられます。
Marqueterie de Pailleはその後19世紀にはあまり作られなくなり、20世紀のアール・デコの時代に再び流行があり作られるようになりました。
フランス革命期の大変珍しいお品です。
年代/PERIOD | 1793年〜1800年初頭頃 |
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刻印 /MARK | なし |
状態/CONDITION | 経年の痛み、象嵌の剥がれあり |
サイズ/SIZE | 直径 8.8cm 高さ2.4cm |