フランス、ガレ(Établissements Gallé)の花瓶です。
被せガラスとエッチングによりシダがデザインされた小花瓶です。緑色の濃淡による表現が基本ですが、この花瓶の特徴は内側に薄くオパールセントガラスが部分的に流し込まれているところにあります。そのため、光の当て方により淡いホワイトブルーに光ったり、オレンジ色に光ったり、光の当たり方によって様々な表情を見せるグラデーションの美しい色合いをしたお品です。
シダは通常半日陰や日陰が生育環境ですが、まるでそれを表現するかのように、光を当てると、部分的に光があたるかのように木漏れ日感のある絶妙な色合いの表現です。
1908年から1910年代頃のお品で、この時代の作品は色合いの主張が激しくなく、実際に花瓶として使用するにもとてもお薦めなお品です。
※画像は光をあてて撮影をしております。オレンジ色やホワイトブルーの色合いは光を当てることによって生まれます(昼光色の光でホワイトブルー強めに出ます)。あくまでも作品としての色合いは緑です。
【エミール・ガレ / Emile Galle】
アール・ヌーヴォーの巨匠ともいわれるフランスの工芸家である。1846年に生まれる。父であるシャルル・ガレが陶器やガラスなどの工場を経営しており、そこでデザインなどを学ぶ。そのデザインの多くは植物や生物など自然を主題としており、死生観を表現するなど芸術性は非常に高い。1874年には自身で陶器やガラス、家具などの製作を始める。1874年に自身のガラス工房が完成、1885年にはマイゼンタールと契約し制作を進め、様々な技法を開発、ガラスの表現方法を大幅に広げた。作家の詩等をガラスに刻み「もの言うガラス」は人気を博した。また、日本人の高島北海と交流があり、ジャポニズムの影響も受けている。1889年のパリ万博ではガラス部門グランプリ、陶器部門金賞、家具部門で銀賞を受賞し、世界的に高い評価を得る。1904年に死去。ガレの死後も1931年まで工房は続いた。
年代/PERIOD | 1908年〜1920年頃 |
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刻印 /MARK | galle |
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状態/CONDITION | 良好 |
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サイズ/SIZE | 高さ 9.2cm |
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