フランス、19世紀にパリ活躍した絵付け工房ボワイエ(Boyer)のカップ&ソーサー。
セーヴルの様式に倣ったデザインで、コバルトに金彩、そして美しい花絵が描かれております。ボワイエの絵付けレベルは非常に高く、前身のフイエも含めて19世紀前半から半ばを代表する絵付け工房でした。1855年と1867年のパリ万博では賞を受賞。当時のフランス人ジャーナリストであるレオン・ブリス(Leon Brisse)は、フランスの磁器産業にとおいて装飾事業は非常に重要な立場であるにも関わらず、重要な賞は白磁生産業のみが評価され、装飾家も正しく評価されるべきとし、ボワイエは非常に優れた工房としてナポレオン3世にも評価され、もっと良い評価が与えられるべきと賞賛されました。
花の絵付けは美しく、色合いも綺麗に出ております。金彩も厚く、模様も描かれております。
※こちらは窯印が入っておりませんが、もともとのセットの他のものにてボワイエのサインを確認済みでございます(作風も相違ありません)。
【ボワイエ / Boyer】
ジャン・ピエール・フイエ(Jean Pierre Feuillet、1777年〜1840年)によってパリのラ・ペ通りに設立(1810年代)された工房を1834年にボワイエ(Boyer)が提携し引き継いだ工房。当時のパリでも有力工房の1つで、絵付けを専門に行い高い技術力があった。1855年パリ万博で2等賞、1867年パリ万博で銅賞を受賞。最終的にはPaul Blot et Hebertとなった。
参考文献 / Bibliography
『Album de l'Exposition Universelle Dédié À S. A. I. Le Prince Napoléon. Tome 3』(Léon Brisse, 1859)
年代/PERIOD | 1850年代〜1860年代頃 |
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刻印 /MARK | なし |
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状態/CONDITION | 良好(ソーサーのコバルト部分に多少多少ございます)
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サイズ/SIZE | カップ 高さ 6cm 直径 6.3cm ソーサー 直径 12.6cm |
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