オーストリアのガラスブランド、ロブマイヤーの小花瓶です。
1883年、デザイナーMoritz Knabによってデザインされた「Indian series」(インディアン・シリーズ)の花瓶。その名の通り、インドで17世紀に流行したイスラム文様のビドリ工芸(亜鉛や銅などに象嵌を施した金属工芸)をガラスで再現した、ロブマイヤーの歴史主義を代表するデザインの1つです。
アイアン・グリーン(ダークグレーに近い)の色合いのガラスに、ロブマイヤーが得意とするエングレーヴィング技術により彫り込み、そこに金銀彩を施す手法で製造されております。銀彩は銀ではなく、アルミニウムを使用しております。
小さな花瓶ですが、ロブマイヤーらしさを感じられるお品です。
【ロブマイヤー / LOBMEYR】
世界最高峰の技術を持つオーストリアの高級ガラスメーカー。シャンデリアでも有名である。アンティークのロブマイヤーでいえば、イスラム文様のエナメル彩による作品は非常に高い評価を得ている。 1823年、ヨーゼフ・ロブマイヤーがウィーンにて創業。1835年にはハプスブルグ家から皇室御用達の称号を得る。1860年にヨーゼフが他界すると、子のヨーゼフJr.とルードヴィヒが共同経営者となりJ.&L.Lobmeyrとなる。1864年にヨーゼフJr.が他界。歴史主義の作品で高い評価を得た。トーマス・エジソンとも親交があり、1883年には世界初となる電気式のシャンデリアを発表している。1899年にルードヴィヒは名誉市民に選ばれる。ルードヴィヒは生涯独身であり、甥のシュテファン・ラートを工房に参加させる。シュテファンはヨーゼフ・ホフマンと協力するなど新しいロブマイヤーの形を作り出した。
参考文献 Bibliography
『J. & L. Lobmeyr Between Tradition and Innovation Glassware from the MAK collection 19th century』(MAK.2006)P.124,125に同シリーズ掲載。
年代/PERIOD | 1880年代(1883年〜) |
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刻印 /MARK | あり |
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状態/CONDITION | 良好(金銀彩スレあり) |
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サイズ/SIZE | 高さ 11cm |
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