18世紀のビーカー。
大きさのあるビーカーで、「VIVAT」と貴族の様子、反対側には大きく王冠のモノグラムが彫られたお品です。用途としてはフンペンのようにお祝いの席で回し飲み用として作られたものと考えられます(18世紀全体を通して制作されていました)。ボヘミア、もしくはオランダで作られたお品です。
「VIVAT」はラテン語で「万歳」の意味で、18世紀はこのように「VIVAT」と彫られたグラスはよく見られます(例として以下参考文献1、2)。馬上で笛を鳴らす貴族の姿と、その奥で祝杯をおげる女性の姿も彫られています。
反対側には大きく貴族の王冠とモノグラムが彫られています。モノグラムは18世紀に特に流行したミラーモノグラムといわれる左右対称にし、大きく見せるモノグラムが彫られています(この場合はG,D,Kのモノグラム)。
エングレーヴィングは大胆な彫りですが、ひとつひとつが丁寧に彫られているのがわかります。
年代/PERIOD | 1700年前半〜半ば頃 |
---|---|
刻印 /MARK | - |
状態/CONDITION | 良好 |
サイズ/SIZE | 高さ 12.8cm 直径 11.4cm(上部) |
18世紀のビーカー。祝杯用の縁起の良いお品です。「VIVAT」(万歳)の文字が彫られています。
反対側にはミラーモノグラムが彫られています。ミラーモノグラムは19世紀以降も多少は使われましたが、18世紀に特に好まれたもので、大きく見せるのが特徴的です。