ナポレオン皇后ジョゼフィーヌが庇護していた名窯ダゴティ(Dagoty)のカップ&ソーサーです。
パリの帝政期らしい豪華でつくりの良いカップ&ソーサー。ダゴティの特徴的なハンドル形状で、ダゴティの残された資料にもみられる形状です(
ヴィクトリア&アルバート美術館所蔵資料参照)。美しい金彩に、馬と人物を茶色で描いた独特なデザインはダゴティらしいお品です。このような馬のデザインはダゴティの得意としたパターンの1つで、『Dagoty a Paris La manufacture de porcelaine de l'imperatrice』には複数の馬を描いた磁器が掲載されています。馬の毛並みや筋肉も非常にうまく描かれています。色は濃い目の異なる茶色のみで、白色は磁体の色で表現しています。
【Dagoty / ダゴティ】
ピエール=ルイ・ダゴティ( Pierre-Louis Dagoty,1771-1840)による工房。もともと芸術に長け、宮廷ともつながりがあった一族で、父親は現在でも非常に有名なマリー・アントワネットの肖像画を描いた画家ジャン=パティスト・アンドレ・ゴーティエ=ダゴティ。ピエール=ルイは、最初は兄弟で活動。当時の有力工房ディール&ゲラールで磁器業を学び、その後1798年にイタリアン大通りで絵付け工房を始め、1800年、シュヴルーズ通りの工房をリース契約し活動を始める。1804年に皇后ジョセフィーヌに庇護を受け(〜1814年)、ヴェルサイユ宮殿へ磁器供給も行った。人気を博し、特に贈答用として好まれるなど、パリでも随一の工房となった。ナポレオンの第一帝政終了後の1815年からはルイ16世とマリー・アントワネットの娘であるマリー・テレーズ・シャルロット(アングレーム公爵夫人)の庇護下に入る。1816年にオノレ(Honore)と提携、1823年までピエール=ルイ活動し、工房はドニュエルへ売却された。
帝政期のパリでも最高品質の磁器を製造した窯の1つであり、独特な形状や絵付けなどで製造し、現在でも高く評価されている。
参考文献 Bibliography
『Dagoty a Paris La manufacture de porcelaine de l'imperatrice』(Régine de Plinval de Guillebon,2006)
ヴィクトリア&アルバート美術館(https://collections.vam.ac.uk/item/O248479/design-dagoty/)
年代/PERIOD | 1800年〜1816年 |
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刻印 /MARK | Dagoty |
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状態/CONDITION | 良好 (多少金彩スレあり)Good |
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サイズ/SIZE | カップ 直径 6.6cm 高さ6.5cm 直径 ソーサー直径11.9cm |
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