オールドバカラのワイングラス。
珍しいエッチングによる東洋趣味のデザインのグラスです。正式名称Forme Oeuf (形状)、Gravure venitienne Chevre Feuilles Dessin 4732(装飾)です。
上部には東洋の影響である七宝つなぎがデザインされています。デザインされている花はChevrefeuilles(ハニーサックル、スイカズラ)のことですが、通常のハニーサックルと異なり、エキゾチックな花がデザインされています。ジャポニスムというよりはシノワズリな感じです。
1893年の公式カタログ掲載品であり、1907年、1916年のカタログには掲載されていないモデルのため、19世紀末にしか作られていなったモデルと推察されます。
マデラワイン用サイズ(No.5)のグラスです。
1893年バカラ公式テーブルウェアのカタログに掲載(このカタログは当店独自で所蔵しているカタログであり、一般には出回っていません)。希少モデル。
【バカラ / BACCARAT】
フランスを代表するクリスタルガラスメーカーで、世界的な人気を現在も誇る。 1763年、フランス国王ルイ十五世はロレーヌ地方にガラス工場を設立する許可を与えられたのが始まりである。当初は設立者の名前から「ルノー・ガラス工場」という名称だったが、3年後に「バカラ・ガラス工場」と改名された。その後は買収や倒産などを繰り返すものの工場は続き、次第に発展していった。1855年のパリ万国博覧会では金賞、1867年の同博覧会ではグランプリを獲得するなどその地位を確立していった。バカラはパリ商法登録商標の第一号を1860年に取得している。バカラの作品はフランス国王を始め、世界の皇帝や皇室などに愛された。現在でもその人気は衰えることなく続いている。
年代/PERIOD | 1890年代頃 |
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刻印 /MARK | なし(1936年以前のため) |
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状態/CONDITION | 良好(製造時のムラ、エッチングの飛びなど多少あり) |
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サイズ/SIZE | 高さ 10.8cm |
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※状態についてはコンディション(商品状態)についてをご覧ください。
オールドバカラのグラス。七宝つなぎの文様とエキゾチックな花がエッチング(酸化腐食彫り)によりデザインされたグラス。
1893年公式カタログ掲載品。1907年以降のカタログには掲載されていない古いモデルで、アール・ヌーヴォーも流行しつつありましたが、シノワズリやジャポニスムなど異国趣味の名残がある時代です。