フランスアンティークのプレートです。
かつてパリにあった高級小売店であり、特にジャポニスム工芸においてその発展を担ったエスカリエ・ド・クリスタル(Escalier de Cristal)のファイアンスのプレートです。
こちらのプレートもジャポニスムのデザインで、鯉がデザインされています。この鯉は何よりもエミール・ガレがモチーフにしたことで有名な葛飾北斎の北斎漫画「魚濫観世音」の絵がモチーフです。
北斎漫画を使用したファイアンスはもともとフェリックス・ブラックモンが1866年にがデザインし、ウジェーヌ・ルソーと協力してとクレイユ&モントローのLEBEUF, MILLIET 社で製造され、1867年のパリ万博で発表、大きな反響を呼びました。その後、いくつかの会社で製造され、ウジェーヌ・ルソーと深いかかわりがあったエスカリエ・ド・クリスタルでは1900年初頭に製造されたといわれています。
ブラックモンはたまたま包装紙代わりに使われていた北斎漫画を見つけ驚嘆し、マネやドガなどに伝え、印象派を形成したことでも知られています。
ブラックモンのこのシリーズはいくつかの工房で製造されていますが、この「魚濫観世音」図は珍しいです。
鯉は非常に迫力があり、またデザインも繊細です。直径が27cmある大皿で、飾り映えします。
【エスカリエ・ド・クリスタル / Escalier de Cristal】
エスカリエ・ド・クリスタルはパリのパレ・ロワイヤルにあった高級店であり、様々な美術工芸品を取り扱い工芸の中心ともいえるリテイラー。1804年(1802年とも)にDesamaud夫人がオーナーとなり設立、クリスタルガラスなどを取り扱った。1818年、当時の国王ルイ18世の御用達となる。1830年前後にボワン(Boin)に引き継がれ、1839年にピエール=イジドール・ラオシュ(Pierre-Isidore Lahoche)が加わった(Lahoche et Boin)。1852年(1854年とも)にエミール=オーギュスタン・パニエ(Emile-Augstin Pannier)が加わりPannier, Lahoche社となった。1867年にラオシュは引退、パニエ一族によってその後運営されていったが1923年に閉店となった。1819年、フランス産業博覧会金賞受賞、1900年パリ万博金賞受賞、ジャポニスムにおいてはウジェーヌ・ルソー、アペール兄弟、エミール・ガレといった一流工房の中でも最高級品を扱い、ガラス製品の多くは現在世界中の美術館に所蔵されている。
年代 | 20世紀初頭 |
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刻印 | Escalier de Cristal Paris、「1」の刻印 |
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状態 | 貫入あり(特に裏側は貫入からの汚れあり)、裏側に小チップあり |
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サイズ | 直径 27.3cm |
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※状態についてはコンディション(商品状態)についてをご覧ください。