フランスアンティーク、18世紀のシルバーテーブルスプーンです。
フランス革命以前、ルイ15世の時代(アンシャン・レジーム期)のテーブルスプーンです。
当時の特徴的なシンプルなデザインの大きなスプーンです。
フランス銀器ではアンシャン・レジーム期とその後の製品ではその価値が異なり、古いものほど価値が高まります。特にフランスではイギリスのように古い銀器があまり残されていないため希少です。また後世のフランス銀器でよくロココ様式(ルイ15世様式)、ルイ16世様式として華麗な装飾の銀器が作られましたが、ルイ15世、ルイ16世の当時にそのような派手な装飾の銀器はほとんど製造されず、ほとんどがフィレ(Filet)もしくはユニ・プラ(Uni-plat)といった簡単な装飾でした。
刻印が押される順番が決められており、まず工房マーク、そしてオフィシャルの刻印である"Charge"の刻印(税の申告)、そして職人組合である"Maison Commune"もしくは"Jurande"の刻印(検査官による証明印のようなもの)、そしてまたオフィシャルの"Decharge"の刻印(納税後)が押されます。"Charge"と"Decharge"の刻印は税金の徴収担当者の変更に伴い変更されます。このスプーンに押されている双方の刻印は1762年10月1日から1768年10月1日に使用された刻印です("Charge"は同時期の書体によるクラウンにA、"Decharge"は薔薇の花)。そして"Jurande"の刻印は1766年7月~1767年7月に使用されいたものです(Cの刻印)。
純銀製(958/1000以上,アンシャン・レジーム期のスタンダードです)、メーカーはLouis-Antoine Taillepiedという工房で、1734年に生まれ、1760年~1806年頃まで活躍した工房です。アメリカのメトロポリタン美術館(MET)に同工房、同時代のスプーンが所蔵されております(デザイン違い)。
メトロポリタン美術館所蔵のLouis-Antoine Taillepied工房のスプーン↓
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/197457
年代 | 1766年7月~1767年7月 |
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刻印 | 工房の刻印、王冠にA(1762年~1768年の"Charge"刻印)、王冠にC("Jurande"の1766年デイトレター)、薔薇の花(1762年~1768年の"Decharge"刻印) |
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状態 | 良好(経年の小傷多少あり) |
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サイズ | 長さ 20.4㎝ |
重量 | 約80.4g |
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※状態についてはコンディション(商品状態)についてをご覧ください。