フランス18世紀ルイ15世下、シャンティイ窯による軟質磁器のプレートです(ファイアンスではございません)。
1725年頃コンデ公ルイ・アンリ・ド・ブルボンによって設立された軟質磁器窯であり、のちセーヴルを設立に関係したデュボワ兄弟(Dubois Freres)が働いていた名窯シャンティイの作品です。
シャンティイはもともと古伊万里、特に柿右衛門様式の写しを制作しており、その精巧さはヨーロッパの中でも抜きん出た存在でした。特に柿右衛門様式の特徴である濁手と呼ばれる非常に美しい乳白色も見事に再現していました。
こちらのプレートはシャンティイ中期に制作された、花絵が描かれたプレートです。色合いなどは柿右衛門様式の影響を残しながら、当時ヨーロッパを席巻していたマイセンの影響を受けたデザインとなっています。独特な色合いと柔らかい風合いがあります。当時は黒色の顔料は使用されておらず、線や口紅は紫がかった茶色が使用されています。
イギリス、ヴィクトリア&アルバート博物館に同品所蔵。
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http://collections.vam.ac.uk/item/O99258/plate-chantilly-porcelain-factory/
フランス、コンデ美術館に同品所蔵。
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http://46.182.7.202/musee/conde02/images/OA-1914-1915Recto-5487.JPG
後世のコピーや偽物ではございません。状態はあまりよくありませんが、そもそも希少性が非常に高いお品です。
【シャンティイ / Chantilly】
東洋磁器に熱中していたルイ4世アンリ・ド・ブルボン=コンデによって設立。サン・クルー窯で磁器を勉強したシケール・シルー(Cicaire Cirou)を招聘し、磁器製造の勅許を与え、軟質磁器の製造を始めた。極秘の軟質磁器の手法により、日本や中国の磁器、特に濁手の柿右衛門様式の精巧な写しを製造した。この品質は非常に高く、マイセンを凌ぐほどで非常に高い評価を得ていた。初期の頃から働いていたデュボワ兄弟(Robert & Gilles Dubois)はこの極秘の製法を盗み出し、王室主導の下ヴァンセンヌ窯が設立した(のちのセーヴル)。ヴァンセンヌ窯が発展すると逆にその技術者を取り入れ、ロココのデザインなどを制作した。その後は色絵の禁止といった規制もあり、シンプルな染付など簡素なデザインとなっていった。1792年、英国人のクリストファー・ポッター(Christopher Potter)に譲渡した。
年代 | 1750年代頃 |
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刻印 | あり |
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状態 | 欠け複数、ヘアライン1か所、経年のシミ・スレ等あり |
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サイズ | 直径 24cm |
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※状態についてはコンディション(商品状態)についてをご覧ください。