イギリス18世紀のティースプーン3種4本セットです。
"Hanoverian"(ハノーヴェリアン、ハノーヴァー朝)パターンのティースプーンです。
1710年〜1770年代にみられるパターンのスプーンです。特徴はフランスの影響を受けて、ボウルの裏側が表となっていることで、ハンドルの先が上側に反っています。初期のころ(〜1730年頃)はラットテイルと呼ばれるボウル部分にネズミのしっぽのような線状のデザインが施され、それが1730年代以降は次第になくなりました(ドロップ)。上手のものにはファンシーバックやピクチャーバックのようにボウルの裏側に図柄がデザインされたものもあります。
この時代のテーブルスプーンはよく見かけますが、ティースプーンは希少です。茶用のスプーンとして発展し流行し始めた時期です。ボウル部分は薄く非常に繊細なつくりで、ハンドルのボウル部分へ向かうシェイプがとても美しいです。
3種4本セットで、いずれも"Hanoverian"パターンです。
・W.Bのイニシャル入り。2本。もともとはピクチャーバック(花籠のデザイン)ですが、ほぼ完全に擦れて消えてしまっています。1本はボウル部分にかなりの痛み有り、もう1本は少し凹み有り。
・A.Eのイニシャル入り。ボウル裏はダブルドロップ型。ボウルに痛みあり。
・A.Cのイニシャル入り。ボウル裏はダブルドロップ型。ボウル少々痛みありますが比較的良好。
いずれも純銀製(925/1000,スターリングシルバー)ですが、刻印はいずれも擦れてしまっており判別不能です(スターリングシルバーであることは保証)。メーカーマークも擦れがひどく判別不能です。この時代のティースプーンはデイトレターやアッセイオフィスマークは押されないのが通例です(アッセイオフィスはロンドン)。
ボウル部分に痛みはありますが、約250年前のティースプーンの味としてみていただければ感慨深いものがあります。
年代 | 1730年代〜1770年代 |
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刻印 | (ロンドンアッセイオフィス)スターリングシルバーの刻印、工房の刻印 |
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状態 | ボウルに痛み有り(1本は比較的良好)、その他良好 |
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サイズ | 長さ 10cm×3本、11.4cm×1本 |
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重量 | 約30g(4本で) |
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※状態についてはコンディション(商品状態)についてをご覧ください。