ロイヤル・ウースター【イギリス】「サブリナウェア」花文花瓶　1912年

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ロイヤル・ウースターのサブリナウェア花瓶です。

Detail

ロイヤル・ウースターの花瓶です。

「Sabrina ware」（サブリナウェア）というアール・ヌーヴォー期に製造されたウースターでも上位ラインの作品です。
1880年代、ウースターはジャポニズムや伝統的な風景画による作品などで成功を収めていました。しかし1890年代になると減速、アール・ヌーヴォーやアーツ＆クラフツといった当時流行の芸術様式に後れを取っていることに危機感を抱きました。そこでアートディレクターのリチャード・ウィリアム・ビンズ（Richard William Binns）は中位商品としてブラッシュ・アイボリーを販売しました。そして、1894年、上位ラインの芸術的作品群としてサブリナウェアがウィリアム・ムーア・ビンズ（William Moore Binns）とジョージ・ハンコック（George Hancock）によって発明されました。
当時人形などによく使用された長石を多く含んだパリアン（大理石の模倣としてヴィクトリアンに流行）を土台に、ハンドペイントで絵が描かれ、塩釉（塩の化学反応によりガラス質の釉薬となる）によって製造ました。塩の反応によって不規則で柔らかい色合いが生み出されました。その作品の多くは優れたペインターによって1点1点デザインされ、1900年初頭に特に人気を博しました。しかし、アール・ヌーヴォーの時代が終わり、アール・デコの流行に伴い、1920年代頃より人気も品質も落ち、1930年に製造中止となりました。
サブリナウェアはウースターの数ある作品の中でも特異な試みでした。開発者のウィリアム・ムーア・ビンズの兄であるチャールズ・ファーガス・ビンズ（Charles Fergus Binns）はこのサブリナウェアに影響を受けた作品でアメリカで成功し、「The Father of American Studio Ceramics」と呼ばれています。

サブリナウェアはウースターが作ったアール・ヌーヴォー、アーツ＆クラフツに対応した製品群といえます。
この花瓶も柔らかい青と白の色合いで花がデザインされています。また七宝のような日本趣味の文様もみえます。
芸術性の高い見事な作品です。

年代	1912年
刻印	1912年の窯印（21ドット）
状態	良好
サイズ	高さ　22.7㎝　直径　8.2㎝

※状態についてはコンディション（商品状態）についてをご覧ください。

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