実はフランスに流通しているアンティーク(1900年前後)のエナメルガラスはフランスで製造していないことが多かったのです。
アンティークのエナメルで多く数を製造していたのがルグラ(Legras)というアール・ヌーヴォー期にパリで活躍した工房です。
上の画像は全てルグラのエナメルです。ルグラはエナメルの製品を大量生産化しましたが、ルグラの凄いところは大量生産したにも関わらずエナメルの品質が良いところにあります。多くは下地を使い、厚手のエナメルで丁寧に描かれます。もちろん上手、下手のものがありますが、雑なエナメルはほぼありません。上手のものはガレやドームにも匹敵します。
フランスには他にもエナメルを得意とした工房はいくつかあります。バカラもその1つです。ただ、バカラのエナメルは結構特徴的です。ほかにもパンタンなどが得意としていました。
上記はフランスでよく見かける、または日本のアンティークフェアなどで「フランス製」と謳われてよく見かけるエナメルです。
これらはルグラではありません。また8割方フランス製でもありません。ほとんどがボヘミア(チェコ)やオーストリアのほうで製造された品物です。特徴としては筆でささっと雑に描いている感じです。手描きの雰囲気が出ていて可愛い製品が多いですが、ルグラに比べると品質は劣り、金彩の質感もフランスのものと異なる場合が多いです。これらのエナメルのガラスはフランスに輸出向け(フランス企業側からの依頼)に製造されたもので、フランスのスーベニアのための製品でした(もっと正確に言えば、フランスの企業がボヘミア現地にてそのための会社を作ったか現地企業と提携して現地職人に作らせた)。スーベニアも多いためフランス語が書かれている場合も多いですが、それもボヘミアにて描かれたと考えられます。底にフランス語で「Importe」(輸入)とエナメルで描かれているものも多いです(なかには丁寧に「Importe(オーストリアから輸入)」や「Importe de Boheme(ボヘミアから輸入)」と書かれているものもあります)。またイギリスにも輸出されていました。
↑ 「Importe de Boheme」と書かれたフランスでよく見かけるグラスの一例。書かれていなかったり、「Importe」だけが多い。文字がフランス語で書かれているが、これも発注によるものと考えられる。
簡単な見分け方としてルグラなどフランスのガラスはガラスの口がかまぼこ型、ボヘミア系のガラスは基本的にカットされている(平ら)のが特徴です(ただ例外あり)。
★ただ、ボヘミアやオーストリアのエナメルは全て質がいまいちなわけではありません。ロブマイヤーやマイヤーズネッフェ、モーゼル、ハラフなどトップクラスのエナメルはフランスの工房より評価されているものも多いです。
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