日本が生んだ色絵磁器といえば、伊万里の九谷様式と柿右衛門様式。九谷様式は国内向けのもので、柿右衛門様式は海外へも多く輸出されました。そしてそれらは西洋にて高い評価を得て、写されました。その代表的なものがマイセンの"Kakiemon"です。柿右衛門様式の特徴はなんといっても余白の取り方。一般的に西洋では真ん中にドンと描き、隙なく装飾するのが美しいとされる傾向がありますが、それに対し、当時の柿右衛門様式は余白を多くとった何とも言えない美しいバランスの良さが特徴的です。マイセンなどは色合いや絵柄などよく写してはいますが、余計な装飾を入れてしまい、やはり柿右衛門のような余白の使い方は真似できなかったようです。絵を描く者にとって余白を作るというのは思いのほか難しこともあり、余白を取るということが西洋に受け入れるまではなかなかいかなかったのではないかと考えられます。元禄・享保期には西洋の趣向に合わせた派手な装飾の伊万里焼が多く輸出されました。
西洋列強が力を伸ばすなか、江戸幕府が終わり明治維新により新しい時代の幕開けになったころ、西洋ではジャポニスム(日本趣味)が流行しました。この時すでに伊万里のような染付や金襴手の模倣は数多くあり、ジャポニスムにおいては絵画や金工、ガラス工芸などにおいて顕著にその影響がみられました。その人気は高く、激動の時代で日本文化の衰退とともに仕事を失いつつあった工芸家たちはこぞって輸出向けの製品を制作しました。江戸時代のような日本らしさよりも、外国人の受けが良い派手な作品や日本人ならではの細密な製品に力を注ぐようになりました。それまでの日本らしい美より西洋的な美しさを持つ作品が造られるようになったということは、西洋で日本らしさがブームになると同時に、日本に西洋の美的観念が植え付けられたともいえるでしょう。
ミントンのジャポニスムのプレート。構図としては柿右衛門を模したものと思われる。ミントンの得意とする技法を活かした良い作品ではあるが、ゴテゴテしすぎて日本らしい美しさはない。
明治期薩摩の里帰りカップ&ソーサー。全体に豪華な装飾が施されており、本来の薩摩焼とはほど遠い。細密な絵は日本の得意とするところで、西洋における日本陶磁器ブームに乗っかり最初から西洋向けに製造されているものである。
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